
一言で言うと、
横浜市瀬谷区・旭区の旧上瀬谷通信施設の跡地(約242ha)で、2027年3月から国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)が開かれます。
花博のあとは、テーマパーク(2030年代前半の開業をめざす)や大きな物流施設、広い公園がつくられる計画です。新しい鉄道(上瀬谷ライン)はやめて、瀬谷駅から地下を走るバス専用道をつくる方向です。
家を選ぶときは、交通の計画の段階と、道路の混み方の変化を確かめておくと安心です。
なぜ上瀬谷で大きな開発が進むの?
上瀬谷通信施設は、1951年から米軍が使っていた土地で、2015年6月30日に全域が返還されました。広さは約242haで、国・民間・市の土地が入りまじっています(横浜市)。
約70年にわたって使い方が制限されてきたため、道路などの整備が遅れていました。首都圏では珍しいまとまった土地で、東名高速や保土ケ谷バイパスにも近いことから、横浜市は郊外の新しい活性化の拠点にするとしています(横浜市 土地利用基本計画)。
跡地は、農業振興・観光と賑わい・物流・公園と防災の4つの地区に分けて使う計画です。土地区画整理の工事は2024年5月に本格的に始まり、2026年5月時点で「おおむね完了」しています(横浜市 市会報告)。
地図|跡地とまわりの駅

出典:国土地理院ウェブサイト(淡色地図)をもとに神奈川すまいラボ作成。位置はおおよその位置です。
①が跡地の中心です。いちばん近い駅は相鉄線の②瀬谷駅で、花博のときは②〜⑤の4つの駅からシャトルバスが出ます。
2027年3月から花博(GREEN×EXPO 2027)

花博の会場づくりが進む上瀬谷の跡地(2025年12月の様子をもとに作成)(※イメージ)
📌 GREEN×EXPO 2027(2026年10月時点)
会期:2027年3月19日〜9月26日
会場:約100ha。有料の来場者1,000万人以上を見込む
行き方:瀬谷・三ツ境・南町田グランベリーパーク・十日市場の4駅から、予約制のシャトルバス(約10〜25分)。駐車場も予約制
準備:2026年9月18日に来場日時の予約が始まった
博覧会協会によると、2026年9月18日時点で入場券は約261万枚が売れています(GREEN×EXPO 2027)。会期中は、会場のまわりの道路で車の乗り降りをしないよう呼びかけられています。
花博のあと|テーマパークと物流施設
📌 跡地のその後の計画(2026年10月時点)
テーマパーク:三菱地所などの「KAMISEYA PARK(仮称)」。約70haで、工事は2028年以降、開業は2030年代前半をめざす。来場者は開業時に年約1,200万人を見込む(事業者の提案)
駅前ゾーン:コンビニやドラッグストア、飲食店など、地元の人もふだん使えるお店をつくる提案
物流施設:敷地約22万㎡・延べ約70万㎡。新しい東名のインターから専用の道でつなぐ計画で、2030年ごろから順に完成予定
公園・防災:約64.5haの公園。災害のときに応援部隊や物資が集まる拠点にもする
テーマパークの開業時期は、2023年の発表では「2031年ごろ」でしたが、2026年3月の環境影響評価の書類では「2030年代前半」と書かれています。どんなアトラクションができるかは、まだ発表されていません。
交通|鉄道ではなく、地下を走るバス専用道に

跡地のそばを通る環状4号線(海軍道路)。バス専用道はこの道路の地下に計画されています(※イメージ)
跡地への交通は、もともと新しい鉄道「上瀬谷ライン」が考えられていました。しかし、運行を担う会社が見つからず、横浜市は2024年1月にバスで運ぶ方式に方針を決めました(横浜市)。
📌 瀬谷バス専用道線(2026年10月時点)
区間:瀬谷駅の近く〜跡地 約2.7km。うち約1.7kmは環状4号線の地下のトンネル
車両:連節バスが最大3台つながって走る。将来は自動運転をめざす
費用と時期:約466億円(2023年度の試算)。使い始めは2030年代前半が目標
段階:2026年5月に市の素案の説明会、7月に公聴会。都市計画の決定はこれから。運賃は未定
出典:横浜市/横浜市 説明会の質問と回答
道路も整備が進んでいます。八王子街道の4車線化や、目黒交番前の交差点の立体化は、2026年12月に完成する予定です(横浜市)。新しい東名のインター(横浜上瀬谷インター線)も、2030年代前半の開通をめざしています。
瀬谷駅のまわりはどう変わる?

相鉄線の瀬谷駅。バス専用道の瀬谷駅側のターミナルが近くに計画されています(※イメージ)
バス専用道の瀬谷駅側のターミナルは、移転した瀬谷中学校の跡地に、地面を掘り下げた形でつくる計画です。前には駅前広場ができます。相鉄線の瀬谷駅とどうつなぐかは、相模鉄道と話し合いが続いています(横浜市)。
瀬谷駅は、相鉄線の直通運転で、乗り換えなしで新横浜や渋谷方面にも行けるようになりました。駅の暮らしは「瀬谷駅の住みやすさ」でくわしく紹介しています。
住民が心配していること
2026年5月の説明会では、住民から次のような質問が出ています(横浜市 説明会の質問と回答)。
- テーマパークの来場者に対して、バスで運べる人数は足りるのか
- テーマパークが撤退したら、交通の計画はどうなるのか
- 466億円の費用が、さらに増えないか
- トンネル工事で、まわりのがけ地や家に影響はないか
市は、ピーク時に1時間あたり約9,000人を運べる想定だと説明しています。家の近くの工事では、工事の契約のあと(2028年ごろ以降)に家屋の調査を案内するとしています。
住まい選びで確かめること
大きな施設ができると、街は便利になる一方で、人や車の流れも変わります。宅建士の立場から、家を選ぶときに確かめておきたいことをまとめます。
住まい選びのチェックリスト
✅ バス専用道やテーマパークの計画が、いまどの段階かを市のページで確かめる
✅ 家の近くの道路が、花博やテーマパークへ向かう車の通り道にならないかを地図で見る
✅ トンネルやターミナルの予定地の近くでは、工事の期間と音を確かめる
✅ 「テーマパークができるから」だけで決めず、今の通勤や買い物の便利さで選ぶ
✅ 重要事項説明で、近くの都市計画について説明を受けたら、気になる点はその場で聞く
まとめ|上瀬谷の跡地は「段階」で見る

旧上瀬谷通信施設の跡地では、2027年3月から花博が開かれ、そのあとはテーマパークや物流施設、公園がつくられる計画です。
交通は鉄道ではなく、瀬谷駅から地下を走るバス専用道にする方向ですが、都市計画の決定はこれからです。テーマパークの開業時期も「2030年代前半」までしか決まっていません。
家を選ぶときは、計画がいまどの段階かと、道路や人の流れがどう変わりそうかを確かめておくのが、いちばん確かな備えになります。